

【Webアナリスト⑤】Webサイトへの流入
こんにちは。ソリューション開発部 情報発信分科会の佐々木です。
今回からこちらの連載を引き継ぐことになりました。つい先日JWA公認 Webアナリスト検定に合格したばかりですので、これからWebアナリスト検定を受けようと考えている皆様のお役に立てれば幸いです。
前回の記事はこちら。
さて、今回はWebサイトへの流入について解説します。流入とは、「Webサイトにユーザー(顧客)が訪問すること」を指し、Webサイトでの一連の顧客行動の最初にあたります。流入の分析では、ユーザーの侵入経路を細かく見ることがポイントとなります。
流入の分析
ユーザーの訪問(= 流入)のきっかけには様々なものが考えられます。策定したKPIどおりにユーザーがWebサイトを訪問しているかどうかを調査し、「どこからユーザーが流入してきたか(= 流入元)」を分析することでユーザーがWebサイトを訪問した理由・きっかけをあぶり出していくことができます。


流入元には「参照元(リファラー)ありの場合」と「参照元なし(ノーリファラー)の場合」があり、それぞれに応じた形で分析を行う必要があります。
参照元(リファラー)ありの場合
Webサイトを訪問する際、多くのユーザーはどこかのサイトから参照してやってきます。例えば、Google等の検索サイトの検索結果やFacebook等のSNS、Web上の広告バナーなどが挙げられ、このような流入元の具体的なサイト情報を参照元(リファラー)と呼びます。
参照元が判別できる場合は、アクセス解析ツールから参照元ごとのセッション数を確認することができます。また、参照元が検索サイトの場合は検索キーワード情報も合わせて取得することができます。


キーワード分析
検索サイトの検索結果を参照元としている場合は、検索キーワードの分析が重要になります。
流入時の上位キーワードを取り出してカテゴライズし並べ替えると、ユーザーが自社サイトを訪問した理由の傾向を把握することができます。
ただし、近年では検索結果がSSLによって暗号化されるようになったため、将来的には検索キーワードは取れなくなると考えられ、今後は注意が必要です。
参照元なし(ノーリファラー)の場合
上述のような参照元がないものをノーリファラーと呼びます。「どのようなアクセスのときにノーリファラーになるか」の例として、以下のものが挙げられます。
- ブックマーク
- ブラウザの履歴
- アドレスバーからURLを直接入力
- アプリケーションのリンク
- 印刷物のQRコード
- SSLからHTTPページに遷移した場合


URLパラメータの付与
ノーリファラーの場合は参照元の情報を取得することができませんが、流入時に利用するリンク元のURLにパラメータを設定することで参照元の判別ができます。
例えば、「2017夏のスペシャルサイト」のページにパラメータを設定したURLで自社サイトへのリンクを貼っておけば、「2017夏のスペシャルサイト」から自社サイトへ流入したアクセス数を計測することができます。


流入の改善
流入の分析を終えた後は、分析結果を元に流入の改善施策を検討していきます。流入の改善には、次の2つの考え方があります。
- 流入数自体を増やすこと
- 質の高い流入を増やすこと
流入を改善するにあたっては、まず流入数を増やすことが一番の課題になると思いますが、コンバージョンに繋がらない流入を増やしても成果には繋がりません。集客の記事で解説したように、ユーザーの興味関心度合いを考慮した上で流入の改善をしていく必要があります。
おわりに
SEO対策やWeb広告など、Webサイトへの集客の施策を打つ際には流入の分析が不可欠です。
参照元のありなしは特に重要なポイントですので、参照元ありの場合となしの場合はそれぞれどんな状況なのか、それぞれどのような分析を行うのかしっかりと覚えておきましょう。
今後も引き続き、Webアナリスト関連の記事を書いていきたいと思います。
次回の記事はこちら。