

【Webアナリスト⑥】Webサイトでの回遊
こんにちは。ソリューション開発部 情報発信分科会の佐々木です。
今回はWebサイトでの回遊について解説します。
前回の記事はこちら。
回遊とは、「ユーザーがWebサイトやページ内のコンテンツを見て回ること」を指します。回遊の分析においては、サイトを訪れたユーザーが目的の情報に辿りついているかに着目することが大切です。
流入の分析とサイトの改善
入口ページの分析と改善
ユーザーがサイトの入口となるページだけを見て帰ってしまった数を直帰数、サイトの閲覧を開始したセッションの総数のうち最初の1ページ目だけを見て帰ったセッションの割合を直帰率といいます。入口ページを分析する際は、まずサイトの直帰率を確認するところから始めます。
閲覧開始数が多く、直帰数・直帰率の高いページがある場合、ページに基本的な欠陥(読み込みに時間がかかりすぎる、ユーザーが知りたい情報がどこにあるかわからない等)がある可能性が高いです。ユーザー目線でページを訪問して検証を行い、ページの欠陥を優先的に修正していきます。
また、流入数が少なく直帰数・直帰率が低いページがある場合にはSEOやリスティングなどによって流入数を増やす施策を行います。
流入数が少なく直帰数・直帰率が高いページについては、直帰数を減らす施策を行ったとしても流入数が少ないため改善のインパクトが低いと考えられます。そのため、改善の施策を行うかどうか検討する必要があります。
サイト内の経路分析と回遊の改善
入口ページの分析の次は、サイト内の経路分析を行います。
ユーザーがサイト内をどのように回遊して、どこから離脱したかを確認し、ユーザーが想定していたシナリオ通りにサイト内を進んでいるか、迷っている遷移はないかなどを分析していきます。
離脱とは
次のページを読み込むまでをページ滞在時間、サイト内でユーザーが閲覧した最後のページ(離脱ページ)を読み込むまでをサイト滞在時間といいます。なお、ユーザーが入口ページから直帰してしまった場合はページ滞在時間もサイト滞在時間もわかりません。


サイトを閲覧中にユーザーが別サイトに飛んだ場合でも、セッションが切れていなければ(別サイトに飛んでから戻ってくるまでの間が30分未満であれば)サイトの滞在時間も継続されます。


また、別サイトに飛んでいなかったとしても、1つのページに30分以上滞在するとセッションが切れてしまうため、サイトの滞在時間はそこでリセットされます。セッションが切れていない場合も、ブラウザを閉じてしまうとページの滞在時間はリセットされます。


ユーザーが離脱した数を離脱数、ページが表示された回数(ページビュー数)のうち離脱ページになった割合を離脱率といいます。
各ページの離脱率とコンテンツの内容を確認し、ユーザーが想定したページ(コンバージョンページ等)で離脱しているかどうかを検証します。
コンバージョンページ
コンバージョンとは、サイト運営者が望むページにユーザーが辿り着くことを差します。このとき、ゴールとなるページのことをコンバージョンページといいます。コンバージョンページのページビュー数から、どれだけのユーザーがサイト運営者の望むアクションを行ったかを計測することができます。
【コンバージョンページの例】
- 商品を購入した後の完了ページ
- メールマガジンの登録完了ページ
- アンケートの回答完了ページ
また、コンバージョンページが存在しないサイトの場合は、以下の方法でユーザーのアクションを計測することができます。
仮想ページビューによるページトラッキング
サイト内に仮想のページを設定して、その仮想ページのページビュー数を計測することでユーザーのアクションを計測します。
この方法は、資料のダウンロードや外部サイトへの誘導が目的のサイト、同一URLのページの遷移でゴールページを表示するようなサイトの計測に適しています。
イベントトラッキング
計測したいユーザーのアクションをイベントとして計測します。
この方法は、Q&Aサイト等でページ内リンクのクリック数を計測する場合や、上述の仮想ページビューと同様に資料のダウンロードや外部サイトへの誘導を目的としたサイトの計測に適しています。
おわりに
ユーザーがサイトを訪問したとしても、コンバージョンページに辿り着けなければサイトの目的は達成されません。ユーザーが途中で離脱していないか、離脱していまう原因は何かを分析していく必要があります。
ページの滞在時間とサイトの訪問時間は難しいかもしれませんが、きちんと理解しましょう。
今後も引き続き、Webアナリスト関連の記事を書いていきますので、どうぞよろしくお願いいたします。