未経験でもわかる!LEGO(R)ではじめるスクラム入門

2017年6月22日アジャイル開発,スクラム開発,セミナー・イベント,レゴスクラム

こんにちは、ソリューション開発部、三宅です。先日、ワイクル株式会社主催のLEGO(R)ではじめるスクラム入門に参加しました。

こちらの研修ではおもちゃのレゴブロックを使い、スクラムのプロセスに従ってチームで街づくりをしようというものです。

未経験者にとって、体系的にスクラムを学べる貴重な機会でしたので研修内容を簡単にご紹介したいと思います。スクラムとは何か?を知りたい方はこちらをご覧ください。

レゴスクラム研修の流れ

  1. チーム分け
  2. 座学 (1h)
  3. 実践(4h)
    1. ユーザーストーリーの書き方
    2. 見積もり
    3. 1スプリント(7分 ×3回)で街づくり
  4. 質疑応答

座学でスクラムについての概要を学んだ後、各班5~6人ずつのチームに分かれてユーザー側、開発チーム側、両方の役割を担いながらレゴで街をつくりました。

また各班1人ずつ、プロダクトオーナー(PO)を選出しますが、年齢や経験など全く関係なく出来るので、普段のプロジェクトでは経験できないような役割も体験することができます。

研修にはエンジニアの方だけではなく様々な業界の方がいました。ウォーターフォールでシステム開発をしている人、認定スクラムマスターの勉強をしている人、リテール営業をやっている人、広報担当の人etc….休憩中も色々な業種のお話が聞けて楽しかったです。

座学

講義の中で、特に印象に残った内容をご紹介します。

「最高な焼きそばの作り方」とは?

配布された用紙にそれぞれ作り方を書いていく中で、私は「そもそも最高って?何を持って最高なの?最高の定義を作らなきゃいけないのかな…あれ、焼きそばってどうやって作るんだっけ…?」とぐるぐる考えていました。他には有名シェフを雇う、焼きそばの達人に作り方を聞くなどの意見も…

スクラムの業務ではユーザー側(お客様)からの意向を聞き、改良点を踏まえて作り直していくということが大切。ここで重要なのは、最高と判断する自分もしくは相手からのフィードバックを受けて、どうするか?というところに着眼点を置くことでした…。

「価値とはケチャップである」

価値とは、顧客が定義するもの 。こちらが与えすぎても、ユーザーの要求に足りなすぎてもいけないということを、ポテトの上にかけるケチャップに例えていました。

ComplicatedとComplexの違い

ComplicatedとComplexの日本語訳はどちらも「複雑な」という意味になりますが、2つは微妙な違いがあります。Complexは色々な部分や要素がある、そんな客観的、物理的な「複雑さ」を表します。一方でComplicatedは扱いや、説明そのものが難しい、ややこしいという心理的な難しさを含む「複雑さ」です。

講師の方が切り離せる問題や事柄なのか、そうではないのか、という違いをドラクエのモンスター(スライムタワーとキングスライム)を例に説明して下さったのがとてもユニークでした。(笑)

スクラムは上手く切り離せない、Complicatedな問題を取り扱うのに強いのだとか。

レゴでの街づくり

座学の後は、チームで街づくり。

座学の後は、チームで街づくり。チームは家族という設定で、それぞれの役割になって自分たちの街に欲しいものをユーザーストーリーとしてそれぞれ書いていきます。

◯◯(役割)として、★★(要求)が欲しい。

それは△△△(理由)だからだ。

私は一家の母親としてこんなユーザーストーリーを書きました。「54歳の母として、レンタルビデオショップが欲しい。それは息抜きに、趣味の韓流ドラマを沢山借りたいからだ。」

ユーザーストーリーを書きました。

ユーザーストーリーで書いてあると、「なんのためにこれ欲しいんだろう?こういう理由なら、こっちでも良いのでは?本当にこれが欲しいのかな‥‥?」と考えるようになりました。相手が本当に求めていることを引き出すことができるんです。

実際の業務では、プロダクトバックログを書いてもらう立場ですが自分がユーザーストーリーで書くことを意識していれば、お客様の立場で、求めるモノ以外のにも何か提案できるようになるのではないかと感じました。

ユーザーストーリーを書きました。

街の全体像が作れたら、優先度順に並べ替えて、今度は開発チームとなって、別の班の街をレゴで作っていきます。

今度は開発チームとなって、別の班の街をレゴで作っていきます。

1スプリント(7分)を全3スプリント行いました。

実際にやってみると、思ったよりもレゴで作る時間は短く感じ、なかなか上手く作ることができませんでした。チーム1回目の見積もりは8だったのに対し、ベロシティは0……

「ふりかえり」の時間でチームで原因を考えました。

  1. 作業を分担しすぎてしまい、1人で作業している時間が長かった
    • 最初にレゴを調達してくる人とレゴを組み立てる人に分けてレゴを組み立てる人は、1人1つ建物を作るよう割り振りしていました。(レゴだから簡単にできるよね~って思っていたんですね。見積もりが甘かった…)しかし、実際に7分間で出来るのはほんの少しの部分・・・まったく形にもなりませんでした。これじゃあスクラムをやっている意味がない!
  2. コミュニケーション不足だった
    • レゴを調達する人と組み立てる人の連携が取れておらず、「今この部品が欲しい!これはもういらない!」という会話がなかったんです。皆自分の作業に集中しすぎて、周りがあまり見えていなかったんですね…

じゃあ、どうやったらもっと効率よくレゴが作れるようになるか?を考えていきます。

1人で作るのではなくて、今度は2~3人でやってみよう!次は某スーパー「まい○すけっと」が欲しいという要求だから、屋根(赤)と壁(緑)の部分で分担して、レゴ調達も組み立ても3人ずつで話し合いながらやってみよう!

という改善点を挙げて、カンバンに付箋を貼っていきます。

カンバンに付箋を貼っていきます。

よし、2回目のスプリント!

2回目のスプリント!

無事まい○すけっとは完成!見積もり通りのベロシティも達成できました…!

1スプリント7分しかないので、本当にあっという間です。

スクラムだとチームで何かを作ろうという時に、誰が今どんな作業をしているか、今自分がすべきことは何か?というのがカンバンを見れば明確に知ることができます。

また「実際に作ってみないと分からないこと」が沢山出てきたときに、すぐに話し合いができるので、チームが一丸となって作戦を立ててはスプリントで少しずつ前へ進んでいくのをこの研修で体験することができました。POとのコミュニケーションの大切さも強く実感しました。

実際の業務でも、開発チーム1人1人が強いオーナーシップを持つこと、自分の仕事を理解し、メンバー同士で積極的に議論し合える環境を作ることがスクラム開発で一番大切なことなのではないかと思います。そのためにはメンバーが柔軟に役割を担えるようにならなければいけませんね…。日々勉強です。

オーナーシップとは?

「オーナーシップ」とは、個人と組織、個人と仕事との関係を示す概念で、担当する仕事を“自分自身の課題”と主体的に捉え、強い情熱と責任感を持って取り組む姿勢のこと。

オーナーシップとは – 人事労務用語 Weblio辞書

おわりに

おわりに

スクラムのフェーズを、レゴを通して楽しく学べるので、スクラムに興味のある方は是非ご参加ください!

また、ソリューション開発部ではスクラム開発に力を入れていますので、他の方の記事もぜひご覧ください。

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