【運用管理の勘所①】目的・重要性

2011年3月15日ITIL Foundation, 運用管理

システムマネジメントサービス部の石田です。

ビジネスの推進、企業経営の中核となっているITですが、そもそもコンピュータ・システムの導入目的は、業務の効率化・自動化・省力化にありました。

近年、システムは、より企業戦略に直結し、経営の中核を担う役割を帯びることで、益々その重要性が高まっています。その結果、コンピュータ・システムを「効率よく動かし続けること」が再度クローズアップされているのです。

コンピュータ・システムが導入されて動き始めた後は、充分な運用管理を行なわないと様々な問題が生じます。仮に、業務が一定でシステム変更がないとしても、ハードウェアは時間とともに老朽化するので部品交換が必要になります。

一方ソフトウェアは、内包していた問題が表面化したとき、修正しなければなりません。さらにシステム変更が必要になれば、様々なシステム要素に影響が出てくるでしょう。

このような変更や修正の作業を円滑かつ安全に実施していくには、整合性のとれた手順をそろえていなければうまくいきません。その手順が、いわゆる「運用方法論」です。

運用方法論が効果的に機能するための"前提"

運用方法論とは、コンピュータ・システムを安全で効率的に運用するための"業務プロセス規定"です。これが効果的に機能するためには、企業活動全体を貫く一定の活動ルールが必要であり、それが運用方法論を取り決めていくうえでの大前提になります。

企業活動の根幹である定款、就業規則、コンプライアンス規約などの「会社規則」の定義がまず必須です。次に組織機能、権限、機密保護規定(セキュリティレベル)など、「全社的業務運用の規定」が必要になります。これを各組織に応じて、日々の活動に必要な「組織ごとのルール」として詳細化していくのが一般的です。いわば、憲法―法律―施行規則の関係と照らし合わせると解りやすいでしょう。

これらが整然と揃って初めて「運用方法論」が効果的に機能するのです。

説明図:運用方法論が効果的に機能するために

SLA(サービスレベル設定)項目例

  • アプリケーション業務稼動計画
    • 企業が外部に提供している業務の稼動要件(営業日、時間など)
    • 社内の組織をまたがる業務(経理系など)の稼動要件(サービス日、時間など)
  • 業務レスポンス
    • サービス項目とそのレベル
  • デリバリ基準
    • 出力データの利用者への配布サイクルとタイミング

システム運用規定として定めるべき項目例

  • 運用規約
    • 利用者に守ってもらう項目
      • JCL記述ルール
      • カタプロ一覧
      • 実行クラス、出力クラス一覧
      • DASD利用ルール
      • MT利用ルール
      • スプール利用ルール など
    • 利用者から申請が必要な項目
      • 申請ルール
      • 申請書類一覧 など
    • 利用者からの問い合わせに関する項目
      • ヘルプデスクサービス時間 など
  • ネーミングルール
    • サブシステム名、プログラム名、データセット名 など
  • 広報ルール
    • 障害レベルに応じた、障害発生時の利用者に対する連絡内容と連絡先 など
  • エスカレーション
    • 障害レベルに応じた、障害発生時の上位・関連組織に対する連絡内容と連絡先 など
  • 回復計画
    • データバックアップや外部保管
    • 冗長構成・縮退運転・バックアップセンターの確保
    • 上記環境をふまえた上でのリカバリ手順
    • リハーサル計画  など
  • 移管規定
    • 追加、改修アプリケーション・プログラムを本番移行する際の手続き など
  • 各種手順書
    • 業務運用マニュアル
    • 障害切り分け手順書
    • 障害対応手順書
    • 稼動監視対応手順書 など

運用管理の目的・重要性

企業は効率良く運営されてはじめて存続するわけで、情報システムも例外ではありません。

システム運用管理も、一定のコスト制限の中で最大限の品質を追及しなければなりません。システム運用における高品質は、ズバリ、システムの安定稼動です。全体として整合性の取られたルール(運用方法論)を整備し継続的に従うことで、「最適なコストで安定的なシステム稼動」を実現することが、運用管理の究極の目的なのです。

運用方法論は、当然システムを作りこむ時から意識しなければなりません。特に最近は企業間の差別化戦略のもとに、短期にサービスを立ち上げようと競争することが多々あります。サービス内容の議論と並行してシステム開発を推進するケースも多く、機能要件を追いかけることに終始し、結果として運用時の考慮が欠けてしまいがちになります。

このようなシステムはえてして、運用に入ってから多くの問題を発生させ、結果としてビジネスの成立を危うくしかねません。運用部門はこのような事態にならぬよう、システム開発のできるだけ初期から関与して、運用ルールに則ったシステムが設計されるように影響力を発揮すべきです。

本テーマでは、アークシステムが考える運用方法論、すなわち「システム運用管理の勘所」を

  • 9つの「管理項目」それぞれに焦点をあてて・・・
  • モデルケースを用いて、9つの「管理項目」を横断的に・・・

という2つの切り口で、概要から細部まで、分かりやすく解説します。

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