

遠隔拠点監視に最適。Zabbixプロキシアプライアンス。
こんにちは。プラットフォーム技術部の飯出(いいで)です。
「システム監視してますか?」と聞かれて、「はい、ばっちりです!」と胸を張って答えられる人、どれくらいいるんでしょうか。答えに詰まったそこのあなた、もしかして…本社のシステム監視はしっかり対応済みだけど支店や営業所のシステム監視ができていないのでは?
今回は遠隔拠点のシステム監視に力を発揮する、Zabbix proxyが搭載されたアプライアンス「Zabbix Enterprise Appliance ZP-1700」について解説していきます。Zabbixを更に活用してシステム監視の範囲を広げたい方は、ぜひ最後までお読みください。
Zabbix proxy版 Zabbix Enterprise Appliance とは?
Zabbix proxy版 Zabbix Enterprise Applianceとは「Zabbix proxyの全機能を1台のハードウェアに搭載」した、オールインワンのシステム監視ソリューションです。
サーバーの購入・検証・セットアップやZabbixのインストールと初期設定・データベースのチューニング・監視処理を適切におこなうための周辺ソフトウェアの設定といった煩雑な作業を実施することなく、Zabbix serverと連携してシステム監視を実施する小型筐体のハードウェア・アプライアンスです。
Zabbixの子サーバーとして動作し、大規模監視の際におけるスケールアウトや遠隔拠点の監視、NA(P)Tやファイアーウォール越しに監視をおこなう場合において、Zabbix serverの負荷分散、Zabbix serverとZabbix proxy間の通信量削減などに効果があります。
注:本機のみでは監視ができません。必ずZabbix serverと組み合わせて使用してください。
Zabbix Enterprise Appliance の選び方
Zabbix Enterprise Appliance ですが、大きく分けて3つの種類があります。
- Zabbix server版ハードウェア・アプライアンス(ZSシリーズ)
- Zabbix proxy版ハードウェア・アプライアンス(ZPシリーズ)
- 仮想アプライアンス(ZS-Vシリーズ、ZP-Vシリーズ)
Zabbix server版ハードウェア・アプライアンス
Zabbix server にもハードウェア・アプライアンスが存在します。詳しくは以下の記事をご覧ください。
Zabbix proxy版ハードウェア・アプライアンス
Zabbix proxy のハードウェア・アプライアンスです。 この記事では、Zabbix proxy版のハードウェア・アプライアンスについて説明します。
仮想アプライアンス
VMware バージョン 5.5以上にて仮想環境を構築している場合、Zabbixの仮想アプライアンスを適用できます。製品のソフトウェア仕様は、前述したZabbix server版ハードウェア・アプライアンス、Zabbix proxy版ハードウェア・アプライアンスと同様です。
Zabbix Enterprise サポート & サブスクリプションに加入することで、ダウンロード・利用いただけます。
型番の見方


- 機能識別子
- ZSの場合:Zabbix serverであることを示します。
- ZPの場合:Zabbix proxyであることを示します。
- 機種識別子
- 機能識別子がZS(Zabbix server)の場合
- 5:監視収容数200台までのハードウェアであることを示します。
- 7:監視収容数1,000台までのハードウェアであることを示します。
- V:仮想アプライアンスであることを示します。
- 機能識別子がZP(Zabbix proxy)の場合
- 1:監視収容数200台までのハードウェアであることを示します。(現状、1固定です。)
- V:仮想アプライアンスであることを示します。
- 機能識別子がZS(Zabbix server)の場合
- バージョン識別子
- Zabbixのメジャーバージョンを示します。
- その他
- 基本的には「00」が付与されます。
- 新旧バージョンにおいてハードウェア互換性が損なわれた場合などにおいて、「50」が付与されます。
Zabbix proxy版アプライアンスの諸元と特徴
ここからは、Zabbix proxy版ハードウェア・アプライアンスの仕様について、解説します。
Zabbix proxy版のハードウェア・アプライアンスは、小型、ファンレス、スピンドルレスのハードウェアを採用しています。サーバールームだけでなくオフィススペースや店舗、工場など設置場所を選びません。オンメモリ技術を採用しハードウェアの中で最も故障率が高いディスク装置を利用しないため、ハードウェアの故障を最小限に抑えることができます。
また、7.7Wという超低消費電力、周辺温度55℃でも運用可能な空調いらずの堅牢設計、81(W) x 133.5(D) x 32(H)mmの小型サイズ筐体と、非常に優れた省電力率・省発熱率・省スペース率を誇り、付属のACアダプタを利用した動作はもちろん、PoE給電でも動作可能であり近くに電源がない場合や、配線スペースが限られた場所への設置ができます。
以下、2025年時点における最新バージョンである、Zabbix 7.0搭載モデルをベースに説明します。なお、Zabbixの最新バージョンに対応した新機種は、今までの傾向からパッケージ版のリリースから半年~1年以内には販売される見込みです。
諸元
筐体が非常に小型であり、別売のラックマウントキットを導入することで、1Uラックに最大5台まで格納できます。ラインナップは、1種類となります。
| ZP-1700 | |
|---|---|
| Zabbixバージョン | Zabbix 7.0.x LTS |
| 構築基盤 | 1Uラックに最大5台格納可(オンプレミス) |
| CPU | クアッドコアARMプロセッサ |
| 搭載メモリ | 2GB |
| ネットワーク | 1000BASE-T x 2(ポート1はPoE受電対応) |
| ストレージサイズ | なし(オンメモリ動作) |
| 監視収容数(概ね) | 200台 (2万監視項目/5分間隔) |
| 本体標準価格(税抜) | 98,000円 |
本体標準価格にぜひご注目ください。 物理サーバーの購入から、OS、ミドルウェア、そしてZabbixのインストールにかかるコストと比較していただければ、その圧倒的なメリットをご理解いただけるはずです。
ZP-1700専用ラックマウントキット
別売りのラックマウントキットにZP-1700を格納すると、以下のような形になります。非常にシンプルですっきりしたラック格納ができますので、おすすめです。


パッケージ版とハードウェア・アプライアンス版の違い
パッケージ版(サーバー購入・OS/Zabbix/各種ミドルウェア導入が必要)とハードウェア・アプライアンス版の違いについてまとめてみました。
| パッケージ版 | ハードウェア・アプライアンス版 | |
|---|---|---|
| Zabbixバージョン | Zabbix 7.0.x LTS | |
| 構築基盤 | 物理サーバー 仮想マシン基盤 クラウド基盤 | 1Uラックに最大5台格納可 (オンプレミス) |
| オペレーティングシステム | Red Hat Enterprise Linux 9.x Alma Linux 9.x Rocky Linux 9.x ※別途構築する必要あり | Ubuntu 22.04 based Zabbix Japan カスタマイズ ※同梱、ファームウェア提供 |
| データベースエンジン | PostgreSQL 13 以上 MySQL 8.0.30 以上 MariaDB 10.5 以上 SQLite 3.3.5 以上 | SQLite 3.37 ※同梱、ファームウェア提供 |
| ストレージサイズ | 拡張可能 | なし(オンメモリ動作) |
| 監視収容数(概ね) | 拡張可能 | 200台 |
| 追加ソフトウェアのインストール | 可能 | 不可能 |
Zabbix proxyの全機能が使用できます。特徴としては、ハードウェア・アプライアンスの場合はオンメモリ動作となっている点です。Zabbix proxyの特性上、監視データは一時的に蓄積できれば良いため、このような仕様になっています。
また、各社のアプライアンス製品と同じく、追加ソフトウェアのインストールはできません。「ウイルス対策ソフトウェアのインストールはできますか?」とお問い合わせをいただくことが多いのですが、できませんのでご留意ください。
ハードウェア・アプライアンスはVPN機能を搭載
ハードウェア・アプライアンス専用の機能として、VPN機能を搭載しています。Zabbixが持つ暗号化通信機能に加え、専用のVPN機能がプリインストール済みであり、システム管理Web管理インターフェースからVPN機能を有効にしてZabbixサーバーとの通信を暗号化できます。
VPN通信はHTTPプロキシ経由で利用することも可能なため、拠点のファイアーウォールの設定変更を行わず、データセンターやクラウド上にインストールされたZabbixサーバーへ安全に監視データを送信できます。
Linuxを直接操作せずに、システム設定ができる
Zabbix server版のハードウェア・アプライアンスと同様に、パッケージ版ではLinuxを操作しなければならないポイントを、以下の画像のようなWeb画面(システム管理インターフェース)で操作できるようにしています。


- システム情報/ステータスの確認
- ホスト名やIPアドレスなどのネットワーク設定
- 契約情報の登録
- システム管理パスワードの変更
- ファームウェアの更新
ができますので、非常にかんたんに運用できます。
Zabbixアプライアンスの魅力
特筆すべき点は、コストパフォーマンスの良さです。特に、Pingによる死活監視のみ、ネットワーク機器のSNMPエージェントに対するポーリング監視のみである場合において、コストパフォーマンスの良さが際立ちます。
また、ハードウェア・OS・Zabbixの一括提供が可能なため、お問い合わせ窓口がひとつに統一されるというメリットもあります。ファームウェアの更新もかんたん操作でできますので、セキュリティ脆弱性が発見された際など、パッチを当てる場合でも迅速に対応できると思います。
以下に、アプライアンスのメリットとデメリットをまとめてみました。
メリット
- ネットワーク機器の死活監視など数100台を監視します。等、ポーリング中心の監視におけるコストパフォーマンスが良い。
- 無線LANアクセスポイントの死活監視(Ping)
- インテリジェントスイッチのポート死活監視(SNMP・標準MIBの範囲内での実施)
- 遠隔地の分散監視を手軽に始めたい。(サーバー & プロキシアプライアンスで安価に構成できる。)
- ハードウェア・OS・Zabbixのお問い合わせ窓口がひとつになる。
- 監視サーバー構築・運用時の手間を削減できる。
- 物理サーバー購入、OS・ミドルウェア、Zabbixをインストールする手間がない。
- OSやデータベースは出荷時にチューニング済み。
- ファームウェア更新でOS・ミドルウェア、Zabbixを一括でアップデートできる。
デメリット
機能として不可・出来ないという話ではありませんが、ハードウェア・アプライアンスが苦手とする内容を紹介します。パッケージ版を採用するか、ハードウェア・アプライアンス版を採用するかの判断基準にもなります。
- ログ(テキスト、Windowsイベントログ)監視、SNMPトラップの受信など、データ量が読めないものはストレージを圧迫しやすい。これらの内容を大量に監視する必要がある場合は、ストレージ容量が調整できるパッケージ版が有利。
- 長期間(1年以上)の監視データを原則、保存できません。Zabbixの画面から保存期間が変更できません。
- 運用スクリプトや、特殊な監視用のスクリプト実行の負荷増大に対応できません。
- このデメリットを解消するために、Zabbix proxy版ハードウェア・アプライアンスを導入して負荷分散を実施するという考え方はあります。
- ウイルス対策ソフトウェアや他社製ドライバはインストールできません。なお、独自の通知スクリプトや監視スクリプトのインストールは可能。(SSHやコンソール接続を利用して、Linux OSにログインして配置してください。)
Zabbixアプライアンスの保証
パッケージ版の保守サポート契約と同じく、Zabbix Enterprise サポート&サブスクリプションが準備されています。なお、アプライアンス版にはパッケージ版の保守サポート契約に加えて、センドバック(ハードウェアの不具合/交換対応)とファームウェアの更新権が付与されます。
サポートレベルに応じた4つのグレード
簡単にですが、保守サポート契約における4つのグレードを説明します。
- ベーシック
- お問い合わせ可能インシデント無し。Zabbixを熟知していてサポートは不要という方向け。
- シルバー
- お問い合わせ可能インシデント数は8本。お問い合わせ可能時間帯は平日営業時間内。
- ゴールド
- お問い合わせ可能インシデント数は無制限。お問い合わせ可能時間帯は平日営業時間内。
- 日本市場ではこの契約が多い。
- プラチナ
- お問い合わせ可能インシデント数は無制限。お問い合わせ可能時間時間帯は24時間365日。
- ただし、平日営業時間外は英語によるサポートになります。
詳しくは、以下のページをご覧ください。
おすすめのグレードは、ゴールドサポート
当社ではゴールドサポート契約をおすすめしています。お問い合わせ可能インシデント数が無制限である点に加え、Zabbix Japanが開催するWebセミナー形式の「ショートトレーニング」に参加できます。
Zabbix Japanのサポートチームが1時間程度でZabbixのさまざまな技術トピックについて解説しますので、ちょっとしたスキルアップに最適です。監視チームに新しい人が配属されたなど、これからZabbixを使っていくというシーンなどでも活用できると思います。
ご契約における注意点
よくお問い合わせをいただく内容です。このような点に注意いただく形となります。
- アプライアンスの購入初年度は保守サポート契約が必須です。
- ハードウェア保証が保守サポート契約に含まれる形になっています。
- 着荷日から標準で5年間が保守サポート期間です。ハードウェアの耐用年数は一般的なハードウェア同様に5年です。
- 5年以上の保守サポート契約を必要とされる場合は、初年度から6年以上の一括契約をいただくことで対応しています。
- 2年目以降における保守サポート契約の解約をご検討される場合は、以下の点にご注意ください。
- 解約は可能ですが、センドバック(ハードウェアの不具合/交換対応)ができません。
- 各種ツールやファームウェアのダウンロードができません。各種ツールの使用権利も失います。
- 保守サポートの再契約は可能ですが、未契約期間に関してはさかのぼって請求いたします。
おわりに
パッケージ版でもコストパフォーマンスを発揮するZabbixですが、アプライアンス版の導入によって更にコストパフォーマンスを発揮します。以下のようなお悩みを持っている場合、アプライアンス版も検討してみてはいかがでしょうか。
- システム監視を始めたいが何から手をつけたら良いかわからない。
- 既にZabbixを使用しているが、環境の維持に苦労している。担当者が離任してよくわからなくなっている。
- 現在使用しているZabbixのバージョンが古く、最新バージョンに乗り換えたい。
- インフラ監視が主な用途となるため、商用ツールを用いた高度なシステム監視は不要。
Zabbixのアプライアンスに興味を持たれた場合は、ぜひ以下の青いボタン「Zabbixのプロフェッショナルに相談」からお問い合わせください。当社のメンバーが、Zabbixのアプライアンスについて詳しくご説明します。
また、Interop Tokyo や Zabbix Conference Japan などのイベント会場で実機の展示もしていますので、来場される場合はアークシステムのブースまでお越しください。実機に触れながら、詳しくご説明します。
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- 豊富な経験: 多くのZabbix導入・構築プロジェクトを成功に導いた実績
- 確かな技術力: Zabbix認定資格を持つエンジニアが対応
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- 最新情報へのアクセス: Zabbix社との強力なパートナーシップを活かした最新技術対応
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