

【AIエージェント×AWS 実践編】構築手順の提示からトラブルシュートまでの一貫支援
はじめに
こんにちは、SMS2部の中村です。
突然ですが、AWS でインフラを構築するとき、こんな経験はありませんか?
- 公式ドキュメント通りにやったはずなのに、なぜかうまくいかない
- エラーが起きているが、どう問題を切り分けていけばよいかわからず、解決に多大な時間がかかってしまう
- 見ず知らずの AWS サービスを組み合わせた構成を考えるのに膨大な時間がかかる
- ましてやベストプラクティスまで考慮した構成となると、さらに大変
今回の記事では、設定済みの環境を使って、ローカルのAIエージェントに構築相談からトラブルシューティングまで支援してもらう様子を紹介します。
具体的には、今回の記事では以下のようなデモンストレーションを行います。
STEP1: AI エージェントに構成を相談する
STEP2: 手順に沿って構築する際にミスを仕込む
STEP3: エラー発生! サイトにアクセスすると504エラーが発生
STEP4: AI エージェントに原因を調査してもらう
STEP5: AI エージェントの指示通りに修正するとエラーが解消!
この記事は「【AIエージェント×AWS】AIエージェントに ReadOnly 権限を与える設定方法と活用事例」シリーズの実践編です。
| 記事 | 内容 |
|---|---|
| 設定編 | ベストプラクティスに基づいた認証・権限設定 |
| 実践編(本記事) | 構築手順の提示からトラブルシュートまでの一貫支援 |
本記事である実践編では、設定編の記事をもとにAIにAWSの参照権限を付与した環境を用いて、AI エージェントのサポートを受けながら EC2 + ALB の構成を構築した事例を紹介し、その便利さをお伝えします。
なお、ローカルのAIエージェントは Claude Code を使用します。
STEP1: AI エージェントに構成を相談する
最初に、やりたいことを Claude Code に伝えます。今回は、以下の文章を Claude Code に送信しました。
Nginxで静的ページを返すWebサーバーを、プライベートサブネットに構築したEC2にデプロイし、前段にALBを置いた構成を、ベストプラクティスを考慮し作りたいです。
現在のAWS環境を確認し、作成する構成を図示したうえで、マネジメントコンソールで手動構築する手順を作成してください。実際に Claude Code に上記メッセージを送信すると、最初に AWS CLI コマンドを使って現在の AWS 環境の状態を確認しています。


私の環境では、数十秒で回答が出てきました。回答の全文は以下です。
Claude Codeの出力全文
承知しました。手順としては以下で進めます:
- 現在のAWS環境確認(VPC/サブネット/IGW/NAT/EC2/ALB等)
- ベストプラクティス確認(WebSearch)
- 構成図とコンソール手順を作成
まず環境確認を並列実行します。
環境把握完了。VPC web-app-vpc (10.0.0.0/16) 既存、public×2(1a/1c)、private×1(1a)、IGW付き、NAT GWなし。EC2/ALB未作成。
冗長化のためprivate-1cが追加で必要。次にベストプラクティスと最新情報を確認します。
1. 現在のAWS環境
| 項目 | 値 |
|---|---|
| アカウント | <アカウントID> |
| リージョン | ap-northeast-1 |
| VPC | web-app-vpc (vpc-xxxxxxxxxxxxxxxxx) / 10.0.0.0/16 |
| パブリックサブネット | web-app-public-1a (10.0.1.0/24) / web-app-public-1c (10.0.2.0/24) |
| プライベートサブネット | web-app-private-1a (10.0.10.0/24) のみ |
| IGW | igw-xxxxxxxxxxxxxxxxx (アタッチ済み) |
| パブリックRT | web-app-public-rt (0.0.0.0/0 → IGW) |
| プライベートRT | web-app-private-rt (ローカルのみ、外向きルート無し) |
| NAT Gateway | なし |
| VPCエンドポイント | なし |
| EC2 / ALB / SG / キーペア / SSMロール | いずれも未作成 |
不足要素: ALB はマルチAZ要件のため public×2 で OK ですが、EC2 を冗長化するなら private-1c が未作成。プライベートサブネットからの外部通信路(NAT GW or VPC エンドポイント)も無いため、Nginx パッケージ取得・SSM 接続のいずれかの方法を用意する必要があります。
2. 構成図(推奨ベストプラクティス構成)
Internet
│
▼
┌──────────────┐
│ ALB (HTTP) │ internet-facing
│ web-app-alb │ SG: alb-sg (0.0.0.0/0:80)
└──────┬───────┘
┌────────────┴────────────┐
▼ ▼
┌──────────────────┐ ┌──────────────────┐
│ public-1a │ │ public-1c │ ← ALB配置
│ 10.0.1.0/24 │ │ 10.0.2.0/24 │
│ (IGW経由で外向) │ │ │
└──────────────────┘ └──────────────────┘
│ │
│ (VPC内ルーティング) │
▼ ▼
┌──────────────────┐ ┌──────────────────┐
│ private-1a │ │ private-1c (新規) │ ← EC2配置
│ 10.0.10.0/24 │ │ 10.0.11.0/24 │
│ ┌────────────┐ │ │ ┌────────────┐ │
│ │ EC2 Nginx │ │ │ │ EC2 Nginx │ │
│ │ t3.micro │◀──┼──────┼─│ t3.micro │ │
│ │ AL2023 │ │ │ │ AL2023 │ │
│ │ SG: ec2-sg │ │ │ │ SG: ec2-sg │ │
│ └────────────┘ │ │ └────────────┘ │
└──────────────────┘ └──────────────────┘
│ │
▼ ▼
┌─────────────────────────────────────────┐
│ VPC Interface Endpoints (PrivateLink) │
│ ・com.amazonaws.ap-northeast-1.ssm │
│ ・com.amazonaws.ap-northeast-1.ssmmessages
│ ・com.amazonaws.ap-northeast-1.ec2messages
│ + Gateway Endpoint: S3 (dnf/yum取得用) │
└─────────────────────────────────────────┘
EC2 IAMロール: AmazonSSMManagedInstanceCore (SSM Session Manager接続用)
踏み台・キーペア・SSH一切不要
セキュリティグループ設計
| SG | Inbound | Outbound |
|---|---|---|
alb-sg | TCP 80 from 0.0.0.0/0 | All |
ec2-sg | TCP 80 from alb-sg のみ | All |
vpce-sg | TCP 443 from 10.0.0.0/16 | All |
3. ベストプラクティス採用ポイント
- EC2 はプライベート配置 + ALB はパブリック配置(公式推奨)
- マルチAZ構成(private-1a/1c に EC2 を1台ずつ配置)
- SSM Session Manager 接続でキーペア・踏み台・SSH ポート開放を全廃
- VPC エンドポイント経由で SSM 通信(インターネット非経由)
- SG 参照によるアクセス制御(IP指定でなく ALB-SG 参照)
- ALB ヘルスチェック有効化 (HTTP:80, パス
/) - ALB アクセスログを S3 へ出力(任意、運用観点で推奨)
- 削除保護を ALB に設定(運用フェーズで推奨)
コスト目安(ap-northeast-1, 月額・730h)
| リソース | 単価 | 月額目安 |
|---|---|---|
| ALB | $0.0243/h + LCU | 約 $18 + LCU |
| EC2 t3.micro × 2 | $0.0136/h | 約 $20 |
| EBS gp3 8GB × 2 | $0.096/GB/月 | 約 $1.5 |
| VPC Interface EP × 3種 × 2AZ | $0.014/h | 約 $61 |
| S3 Gateway EP | 無料 | $0 |
| 合計 | 約 $100/月 |
NAT Gateway を使う代替案: NAT GW $0.062/h × 2AZ ≒ $90/月 + データ転送料。VPCエンドポイント方式の方がセキュアかつ近コストのためこちらを推奨。シングルAZ運用許容なら NAT GW シングル($45/月) が最安。
クォータ確認
- ALB: アカウントあたり 50(デフォルト、十分)
- VPC エンドポイント: 50/VPC(十分)
- EIP: 5/region(今回未使用)
- t3.micro: vCPU 上限以内
リージョン対応
- ALB / EC2 / SSM / VPC エンドポイント全て ap-northeast-1 対応済み
- AL2023 AMI:
ami-0a21a03072be95559(kernel-6.1, 2026-04-29 リリース)
変更影響範囲
- 既存 VPC
web-app-vpcに新規サブネット 1つ追加(既存リソースへの影響なし) - 既存 default SG は使用せず、新規 SG を作成(既存への影響なし)
- 既存 IGW・パブリック RT は再利用(変更なし)
4. マネジメントコンソール 手動構築手順
手順0: 事前準備
- マネジメントコンソールにサインイン
- 右上リージョンを 東京 (ap-northeast-1) に固定
手順1: プライベートサブネット追加(private-1c)
- VPC > サブネット > サブネットを作成
- VPC:
web-app-vpc - サブネット名:
web-app-private-1c - AZ:
ap-northeast-1c - CIDR:
10.0.11.0/24 - 作成後、ルートテーブル
web-app-private-rtに紐付け(サブネット詳細 > ルートテーブル > 関連付けを編集)
手順2: VPCエンドポイント用 SG 作成
- VPC > セキュリティグループ > 作成
- 名前:
vpce-sg/ VPC:web-app-vpc - インバウンド: HTTPS(443) Source
10.0.0.0/16
手順3: VPC エンドポイント作成(Interface型 ×3)
- VPC > エンドポイント > エンドポイントを作成
- 以下を3回繰り返し作成
com.amazonaws.ap-northeast-1.ssmcom.amazonaws.ap-northeast-1.ssmmessagescom.amazonaws.ap-northeast-1.ec2messages
- 各エンドポイント共通設定:
- VPC:
web-app-vpc - サブネット:
web-app-private-1a,web-app-private-1c - SG:
vpce-sg - プライベートDNS: 有効
- VPC:
手順4: VPCエンドポイント作成(Gateway型 S3)
- サービス:
com.amazonaws.ap-northeast-1.s3(Gateway) - VPC:
web-app-vpc - ルートテーブル:
web-app-private-rtを選択 - ポリシー: フルアクセス(dnf リポジトリ取得用)
手順5: IAM ロール作成(EC2 用 SSM)
- IAM > ロール > ロールを作成
- 信頼するエンティティ: AWSサービス > EC2
- ポリシーアタッチ:
AmazonSSMManagedInstanceCore - ロール名:
web-app-ec2-ssm-role
手順6: セキュリティグループ作成
alb-sg
- VPC:
web-app-vpc/ 名前:alb-sg - インバウンド: HTTP(80) Source
0.0.0.0/0
ec2-sg
- VPC:
web-app-vpc/ 名前:ec2-sg - インバウンド: HTTP(80) Source
alb-sg(SG参照)
手順7: EC2 起動(2台)
- EC2 > インスタンス > インスタンスを起動
- 名前:
web-app-nginx-1a - AMI:
ami-0a21a03072be95559(Amazon Linux 2023) - インスタンスタイプ:
t3.micro - キーペア: キーペアなしで続行(SSM接続のため)
- ネットワーク設定:
- VPC:
web-app-vpc - サブネット:
web-app-private-1a - パブリックIP自動割当: 無効
- SG:
ec2-sg
- VPC:
- ストレージ: gp3 8GiB(暗号化 有効)
- 高度な詳細:
- IAMインスタンスプロファイル:
web-app-ec2-ssm-role - メタデータバージョン: V2のみ (token required)
- ユーザーデータ:
- IAMインスタンスプロファイル:
#!/bin/bash dnf -y update dnf -y install nginx systemctl enable --now nginx cat <<'EOF' > /usr/share/nginx/html/index.html <!DOCTYPE html> <html><head><meta charset="utf-8"><title>web-app</title></head> <body><h1>Hello from $(hostname)</h1></body></html> EOF systemctl restart nginx
- 起動。同手順を AZ
ap-northeast-1c/ サブネットweb-app-private-1c/ 名前web-app-nginx-1cで繰り返し
手順8: ターゲットグループ作成
- EC2 > ターゲットグループ > 作成
- ターゲットタイプ: Instances
- 名前:
web-app-tg - プロトコル/ポート: HTTP / 80
- VPC:
web-app-vpc - プロトコルバージョン: HTTP1
- ヘルスチェック:
- プロトコル: HTTP / パス:
/ - 詳細: 間隔 30秒 / タイムアウト 5秒 / 健全閾値 2 / 異常閾値 2 / 成功コード 200
- プロトコル: HTTP / パス:
- ターゲット登録: EC2 2台(ポート 80)
手順9: ALB 作成
- EC2 > ロードバランサー > ロードバランサーを作成 > Application Load Balancer
- 名前:
web-app-alb - スキーム: インターネット向け
- IP アドレスタイプ: IPv4
- VPC:
web-app-vpc - マッピング:
ap-northeast-1a→web-app-public-1a/ap-northeast-1c→web-app-public-1c - SG:
alb-sg(default SG は外す) - リスナー: HTTP:80 → 転送先
web-app-tg - (任意)属性で 削除保護を有効化、アクセスログを S3 出力に設定
- 作成
手順10: 動作確認
- ALB の DNS 名(
web-app-alb-xxxxx.ap-northeast-1.elb.amazonaws.com)にブラウザでアクセス - ターゲットグループの Targets タブで両 EC2 が
healthyになること - リロードを繰り返して
Hello from ip-10-0-10-x/ip-10-0-11-xが交互に表示される(ラウンドロビン動作) - SSM 接続テスト: EC2 > インスタンス > 接続 > Session Manager で各 EC2 にシェル接続できること
手順11(任意・推奨)
- ACM で証明書発行 → ALB に HTTPS:443 リスナー追加、HTTP→HTTPS リダイレクト
- AWS WAF を ALB にアタッチ(OWASP マネージドルール)
- CloudWatch アラーム設定(
UnHealthyHostCount,TargetResponseTime,HTTPCode_ELB_5XX_Count) - ALB アクセスログを S3 → Athena で分析
注意事項
- 本回答は describe/list/get のみで現状確認 を実施しており、リソースの作成・変更は一切行っていません(CLAUDE.md ルール準拠)
- 手順実施前に必ずコスト・クォータを再確認してください
- 手順実施は本番環境ではなく検証環境からの試行を推奨します
Sources:
- Load balancer subnets and routing – AWS Prescriptive Guidance
- Application Load Balancers – Elastic Load Balancing
- Subnets for your VPC – Amazon Virtual Private Cloud
- Step 6: VPC endpoint for Session Manager – AWS Systems Manager
- Improve EC2 security with VPC endpoints for Systems Manager
- WKLD.06 Use Systems Manager instead of SSH or RDP
- Health checks for Application Load Balancer target groups
- Security groups for your Application Load Balancer
- CloudWatch solution: NGINX workload on Amazon EC2
内容を確認してみると、構成と手順の提示に加えて、ベストプラクティスを考慮した提案をしてくれました。具体的には、以下の内容を提案してくれました。
- Claude Code が AWS CLI で確認した内容
- パブリックサブネット2つ(1a / 1c)と IGW・パブリックルートテーブルは構築済み
- プライベートサブネットは 1a のみで、1c が未作成
- プライベートルートテーブルに外向きルートがなく、NAT Gateway・VPC エンドポイントも未作成
- EC2、ALB、セキュリティグループ、キーペア、SSM 用 IAM ロールはいずれも未作成
- Claude Codeが提案した内容
- 構成方針: EC2 をプライベートサブネット(1a / 1c)に冗長配置し、パブリックの ALB から振り分け
- 追加するリソース: private-1c サブネット、VPC エンドポイント、SSM 用 IAM ロール、ALB/EC2/VPCE 用セキュリティグループ、EC2 × 2、ターゲットグループ、ALB
- 構築手順: マネジメントコンソールでの手順を全11ステップに分けて提示
- 運用アクセス: キーペア・踏み台・SSH を全廃し、SSM Session Manager 経由で接続
- その他情報: 推奨事項(ACM/HTTPS 化、WAF アタッチ、CloudWatch アラーム、ALB アクセスログ分析)、月額コスト目安、既存リソースへの影響範囲
- 情報ソース: 提案に伴い情報を参照した9記事の提示
以前は公式ドキュメントでベストプラクティスを確認したり、事例を探したりなど、複数ページを行き来しながら時間をかけて構成を検討する必要がありましたが、AI エージェントに相談すると数分で自分の環境に合った構成と手順が出てきます。
もちろん出力をそのまま真に受けず、公式ドキュメントで裏取りをすることは大切ですが、「ゼロから調べること」と「答え合わせをすること」では労力がまったく違います。
STEP2: 手順に沿って構築する際にミスを仕込む
Claude Code が出した手順に従い、AWS マネジメントコンソールで一つずつリソースを作成していきます。
今回の記事では、AI エージェントの力そのものを体験したく、かつ出力内容に大きな違和感はなかったので、出力された内容をそのまま採用し構築してみました。
今回は、以下の2点をわざと間違えて構築してみました。
- EC2 のセキュリティグループのインバウンドルールのポートを「80」ではなく「8080」に設定
- ターゲットグループのヘルスチェックパスを「/」ではなく「/health」に設定
STEP3: エラー発生! サイトにアクセスすると504エラーが発生
ALB の DNS 名にブラウザからアクセスしてみると、504 Gateway Time-out エラーが表示されました。


また、ターゲットグループの登録済みターゲットの状態を確認すると、EC2 のヘルスステータスがunhealthy になっています。


STEP4: AIエージェントに原因を調査してもらう
Claude Code に調査を依頼します。


設定状況を AWS CLI コマンドで調べてくれています。こちらも数分待つと回答が出てきました。回答の全文は以下です。
Claude Codeの出力全文
原因調査結果
ALB の DNS 名へのアクセスで 504 Gateway Timeout が発生する原因を、AWS リソースの状態を確認した結果、以下の問題が判明しました。
確定原因
主因(致命的): ec2-sg のインバウンドポート設定ミス
ec2-sg(sg-xxxxxxxxxxxxxxxxx) のインバウンドルール: TCP 8080 fromalb-sg- ターゲットグループ
web-app-tgの転送ポート: TCP 80 - EC2 上の Nginx の待ち受けポート: TCP 80
ALB は EC2 のポート 80 へヘルスチェックおよびリクエスト転送を試みますが、ec2-sg がポート 80 を許可していないため、すべての通信がセキュリティグループでブロックされています。結果として ALB 側ではターゲットからの応答がタイムアウトし、504 Gateway Timeout が返却されています。
検出証跡:
describe-target-health の結果 TargetHealth.State: unhealthy TargetHealth.Reason: Target.Timeout TargetHealth.Description: Request timed out
両ターゲット(i-xxxxxxxxxxxxxxxxx, i-xxxxxxxxxxxxxxxxx)ともに同じ状態です。
副因: ヘルスチェックパスの不整合
- ターゲットグループのヘルスチェックパス:
/health - Nginx のデフォルトドキュメントルート(
/usr/share/nginx/html)には/healthファイルが存在しない
主因(SG のポート 80 不許可)を解消しても、ヘルスチェックリクエストが /health に対して 404 を返すため、ターゲットは Target.ResponseCodeMismatch で unhealthy のままとなる見込みです。
復旧手順(マネジメントコンソール)
手順1: ec2-sg のポート修正(主因の解消)
- VPC コンソール > セキュリティグループ >
ec2-sg(sg-xxxxxxxxxxxxxxxxx) を選択 - インバウンドルール タブ > インバウンドルールを編集
- 既存ルール(TCP 8080、ソース
sg-xxxxxxxxxxxxxxxxx)を 削除 - ルールを追加 をクリックし、以下を設定
- タイプ: HTTP
- プロトコル: TCP
- ポート範囲: 80
- ソース: カスタム →
sg-xxxxxxxxxxxxxxxxx(alb-sg) - 説明:
Allow HTTP from ALB
- ルールを保存
手順2: ヘルスチェック整合化(副因の解消)
以下のいずれかを実施します。方針A を推奨します(ヘルスチェック専用エンドポイントを持つことで、トップページ変更の影響を受けず、軽量応答にできるため)。
方針A: Nginx 側に /health を用意(推奨)
各 EC2 で Session Manager 経由で実行
echo "OK" | sudo tee /usr/share/nginx/html/health curl -I http://localhost/health # 200 OK を確認
方針B: ターゲットグループのヘルスチェックパスを変更
- EC2 コンソール > ターゲットグループ >
web-app-tg - ヘルスチェック タブ > 編集
- ヘルスチェックパスを
/healthから/に変更 - 変更を保存
手順3: 復旧確認
- EC2 コンソール > ターゲットグループ >
web-app-tg> Targets タブ - 両ターゲットの Health status が
healthyに遷移することを確認(30秒〜数分かかります) - ブラウザで
http://web-app-alb-xxxxxxxxxx.ap-northeast-1.elb.amazonaws.com/にアクセス - HTTP 200 OK と Nginx の index ページが表示されることを確認
- 数回リロードし、応答する EC2 のホスト名が交互に切り替わることを確認(ラウンドロビン動作)
根本対策(再発防止)
- 構築時のクロスチェック: ターゲットグループのポートと、ターゲット側 SG の許可ポート、アプリケーションの待ち受けポートの三者一致を必ず確認する
- ヘルスチェック専用パスの実装: Nginx の静的配信または
locationディレクティブで/healthを明示的に提供する - CloudWatch アラーム導入: ターゲットグループの
UnHealthyHostCountや ALB のHTTPCode_ELB_5XX_Countに対してアラームを設定し、異常検知を自動化する
変更の影響範囲
- 手順1(
ec2-sg修正): ALB から EC2 への通信のみが影響を受け、他リソースへの影響はありません。ダウンタイムは数秒程度です - 手順全体: 既存 VPC・ALB・EC2 を再作成せず修正のみで復旧可能。ロールバックは旧 SG ルールに戻すだけで可能
今回の検証環境では、Claude Code が短時間で設定不整合の候補を絞り込み、復旧手順まで提示してくれました。
調査時間は環境の規模、リソース数、与える前提情報、利用するモデル、ネットワーク状況、API制限などによって変わります。
とはいっても、複数サービスを横断して設定値を確認し、原因候補を整理する作業をAIエージェントに任せられる点は、トラブルシュートの初動の大きな助けになると感じました。
STEP5: AIエージェントの指示通りに修正するとエラーが解消!
Claude Code の指摘に従い2箇所を修正した結果、数分後にターゲットグループの登録済みターゲットの ヘルスステータスが healthy に変わり、ALB の DNS 名で Web アプリに正常にアクセスできるようになりました。




しかし、未完全な部分も同時に見つかりました。
Claude Code の提示した動作確認では、Webページにはアクセス先の EC2 のIPアドレスである「Hello from ip-10-0-10-x」、「Hello from ip-10-0-11-x」交互に表示されるとありました。一方で、実際にWebページを確認してみると、IPアドレスの部分で、変数に値が代入されず変数の表記のままになってしまっています……。
このように、AI エージェントの出力した内容には不完全な内容を含む可能性があります。AIエージェントの出力をすべて真に受けるのではなく、内容を必ず確認したうえで、実際の運用環境で使用する前に必ず検証環境でテストするようにしましょう。
まとめ
本記事では、AI エージェントに構成の相談から手順の提示、トラブルシューティングまで一貫して支援してもらう様子を紹介しました。
AI × AWS の組み合わせの可能性が伝わったでしょうか。
インフラ分野は、検証環境で試行錯誤することが多い分野だと思います。だからこそ、AIエージェントを組み合わせて、検証・トラブルシューティングのスピードを上げることが、業務効率化に直結すると思います。AI エージェントへの権限設定方法は前記事で紹介していますので、ぜひご自分の AWS 環境でもAI エージェントを活用してみてください。














