Certified Scrum Developer®研修に行ってきました!
こんにちは。ソリューション開発部の高地です。
先日、株式会社Odd-e Japan様主催のCertified Scrum Developer®研修 (以下CSD®研修)を受講してきました。
ほかの参加者とペアを組んでおこなうコーディング演習をはさみながら、スクラムの原理原則を体系的に学びました。
私のプロジェクトもスクラムであり、普段の業務でおこなっているイベントや先輩方の発言の意味が結びつくような、非常に得るものが多い研修でした。
研修の細かい内容には触れませんが、どんな研修だったか紹介していきます!
CSD®研修はアジャイル開発に興味がある人、これからスクラムを勉強しようと思っている人、さらに初心者エンジニアにもおすすめの研修ですので、本記事がそんな方々の参考になれば幸いです。
CSD®研修とは?
今回私が受講したCSD®研修は3日間の研修でした。各日5.5時間に内容が濃密に詰まった、ボリュームのある研修です。
CSD®研修のサイトには以下のように概要が記載されています。
スクラムの開発チームメンバーとして、正しくかつ効率的に恊働できる人材育成を目的としてScrum Alliance®により作られた、体系的ソフトウェア開発者の教育・認定プログラムです。
本研修・トレーニング中に能力を評価された方は、Scrum Alliance®に登録されます。残念ながら、本研修・トレーニングは、お金で資格を取得(購入)するための研修・トレーニングではございません。
https://www.odd-e.jp/service_01/
その下に「学習意欲が低い方、研修・トレーニング内容をご自身の環境で活かそうと考えていない方はご遠慮ください」と注意書きがあり、難易度が高い課題があるのか…? 自分の今の力量でについていけるのだろうか…? とすごく不安でした…..
研修内容
研修は小さいステップで細かく現状を把握しながら進んでいきました。
講義→ほかの受講者とペアでコーディング演習→振り返りと質問タイム
という流れを1時間半毎くらいでトピックごとに繰り返して進みます。
講義のトピックはひととおり用意されていて、受講者の様子に合わせてトピックの濃淡を決めているようでした。今回のトピックは以下の通りです。
- アジャイルとスクラムの概要
- エクストリームプログラミングとテスト駆動開発(TDD)
- 良いテストコードとは
- スクラムの流れ
- リファクタリング
- ペアプログラミング
- CI
研修の特徴
研修前に課題が用意されており、スクラムについて指定された資料を予習して研修に挑む必要があります。
講義自体に用意された資料はなく、講師の方がホワイトボードに講義内容を書きながら各トピックを説明していました。
なぜそのような考えなのか、アンチパターンはどのようなものがあげられるのか、実際の業務ではどのように適用しているのかを踏まえ、講師の方の経験談を交えながらの説明だったため、非常にわかりやすい内容でした。
またコーディングの説明の際には、講師の方がIDEのIntelliJを使って、受講者が演習で書いたコードを修正実演することもありました。IntelliJの補完機能を駆使して魔法のような速さでコーディングしていました。
いかに自分がIDEを使いこなせていないかがわかり、非常に良い参考になりました。
また実演の際に、良いテストコードの観点を説明しつつ具体的にコードをカイゼンしていたので、どのような視点でコードを見ているのかがよくわかり、今後に活かせる経験になりました。
ペアでのコーディング演習は、FizzBuzzのような簡単な課題をJavaで3日間を通して、テスト駆動開発で作成するというものでした。
講義で教わった内容をすぐにコーディングで実践するため、数分前におこなった演習の悪かったところがすぐ見つかります。この小さなステップを繰り返すことでやり方がカイゼンされていく様子がよくわかり、ウキウキしながらコーディングができました。
またペアプログラミングはスクラムと親和性が高く、ペアの方のやり方を盗んだり、トラブルが起きた瞬間に相談できる効率の良さなどメリットを体感できて非常に良かったです。
最後の振り返りはトピックごとにおこない、感想と質問をMiroの付箋でアウトプットします。
回答するのが難しそうな質問などもありましたが、講師の方が質問に対して深掘りして課題を分解し、講師の方の経験を踏まえて丁寧に回答してくださいます。
何か業務で困っていることがあればここで聞いてみるのがおすすめです。
研修形態
完全オンラインの研修で、研修中は常にカメラオンが義務でした。
研修は講師1人と受講者9人で、開発者からマネージャーやスクラムの現場にいる方はもちろん、これから始めようと思っている方などさまざまな背景の方がいました。
本記事冒頭で紹介したCSD®研修のサイトの注意文で不安をあおられた雰囲気でしたが、ふりかえりで必ず発言したり、ペアで演習をおこなったりと、コミュニケーションを細かくとりながら進める研修であり、むしろ意見や質問をしやすい雰囲気でした。
ペアでのコーディングは、ペアごとにルームが分けられて2人だけでおこなっていきました。
3日間同じペアで常に会話をしながら進めるため、研修が終わるころにはプライベートな話も弾むくらいになっていました。
こんな人におすすめ
スクラムの現場の方には特におすすめです。認定スクラムマスターを取得した方も受講されていたので、どんな経験値の方でも学びがあると思います。
またスクラム以外の方にも、私のような新人にもおすすめです。現状把握とふりかえりの繰り返しによってカイゼンし続けるフレームワークですので、今後の業務のカイゼンに必ず活かされると思います。
エンジニアとしても高い技術を持った講師の方や質の高い参加者が集まるので勉強になると思います。
感想
「スクラムガイド」をはじめとしたさまざまな資料が散見されるスクラムですが、しっかり理解をして実践するのは難しく、業務でうまくできているかよくわからないと思うことが多々ありました。
今回の研修でスクラムについて完璧に理解できたとまでは言えませんが、「人は間違え、忘れる生き物である。だから現状把握をし続けたい。」という前提でイベントがあると聞き、スクラムのそれぞれのイベントの意図が腑に落ちました。
例えば1日の初めに「今日やること」と「お困りごと」を話すデイリースクラムというイベントがあります。このイベントによって個人のタスクや感情がアウトプットされるので、チームの現状把握ができます。
さらに1日単位で繰り返されるため、チームの認識齟齬を埋めやすくなり、チームに伝えることでチームや個人が間違えるリスクを減らせるとわかりました。
研修受講前は、プロジェクトの先輩が「リスクが高い状態」と言うことがありましたが、どのような状態のことを言っているのか理解できていない部分がありました。
今回の研修で教わった前提を踏まえると、「リスクが高い状態」とは現状把握ができていないため、未来を予測しづらい状況であると理解しました。そう考えると、現状を把握するために必要な情報や、次の行動ができるようになるための情報が見えてくるな思いました。実際に自分ができるようになるにはもう少し経験が必要ですが…
またスクラムは小さいステップでカイゼンしていくことは知っていましたが、TDDの演習を通してここまで細かくステップを踏むのか!と驚きました。
小さくステップを踏むことで、ミスしたときや前のバージョンに戻って再作業をしたときのリスクをかなり減らせることを実感したので、業務以外でも小さくステップを踏んでリスクを減らして取り組んでみようと思います。
非常にためになることが多い研修ですので、興味がある方はぜひ受講してみてください!!