ASTERIA Warpとは?基本的な使い方をご紹介

ASTERIA Warp

こんにちは。ソリューション開発部の上坂です。

私が現在参画しているプロジェクトでは、開発にASTERIA Warpを使用しています。私自身今回のプロジェクトで初めてASTERIA Warpを触りましたが、実際に使うことで、さまざまな処理の実現方法を学習できました。そこで今回は、ASTERIA Warpに興味がある、またはASTERIA Warpを使うことになったがイメージが湧かない、といったITエンジニアの方々に向けて、ASTERIA Warpの基本的な使い方を紹介します。

ASTERIA Warpとは

はじめに、ASTERIA Warpについて簡単に説明します。(ASTERIA Warpについてより詳細に知りたいという方は公式サイトをご覧ください。)

ASTERIA Warpとは、アイコンを画面上にドラッグ&ドロップしてフローを作成することで、さまざまなシステムとのデータ連携を可能にするミドルウェアです。例えば下記のようにアイコンを配置すると、テーブルからレコードを取得し、取得したレコードをファイルに出力するというプログラムを作成できます。

テーブルからレコードを取得し取得したレコードをファイルに出力するフロー

もちろん細かい設定も必要ですが、基本的にはアイコンを並べることでプログラムを作成できるため、プログラミング未経験者でもプログラム作成に取り掛かりやすいかもしれません。私もASTERIA Warpに慣れるまでに一定の時間は必要でしたが、一度慣れてしまうと簡単な処理であれば大きく詰まることもなく開発できました。

フローの作成方法

続いて、ASTERIAでの基本的なフローの作成方法を紹介します。

基本的な用語

コンポーネントを配置する場所のことを「フロー」、フローをまとめて管理する単位を「プロジェクト」と呼びます。プロジェクトの中には複数のフローを作成できます。また、画面上に配置するアイコンのことをASTERIA Warpでは「コンポーネント」と呼びます。コンポーネントは画面上部に並んでいるため、そこからドラッグ&ドロップしてフローに配置します。

ASTERIA Warpの画面上におけるプロジェクト、フロー、コンポーネント

コンポーネントの細かい設定はプロパティで設定します。例えばデータをファイルに出力する際に使用する「FilePut」コンポーネントには、プロパティとして「ファイルパス」や「書込み処理」などの項目が用意されています。これらの項目に値を設定することで、どこにファイルを出力するのか、ファイルが既に存在していた場合に上書きするのか、追加で書き込むのかなどの細かい動きを決められます。

コンポーネントのプロパティ設定

また、コンポーネントやフローなどにはコメントを設定できます。コンポーネントの見た目から大まかには処理の内容を想像できますが、コメントを付与することで、より明確に処理の内容を把握できます。

コンポーネントのコメント設定

フローの実行方法

ツールバーの実行アイコンを押下するとダイアログが出てくるので、ここで実行ボタンを押下するとフローを実行できます。

フローの実行アイコン
フローの実行ダイアログ

また、デバッグ実行も可能です。コンポーネントにブレイクポイントを設定して実行したり、ステップ実行したりできます。

フローのデバッグ実行

ストリーム

フローを作成する上での重要な考え方として「ストリーム」があります。ストリームとは、フロー上を流れるデータのことを指します。ストリームの形式はコンポーネントごとに設定します。例えば下記の例では、AのコンポーネントからBのコンポーネントに流れるストリーム(Aの出力ストリーム)の形式はAのコンポーネントで定義します。このようにフロー上を流れるストリームの形式を定義したものを「ストリーム定義」と呼びます。

ストリーム定義

続いて、下記の例を見てみましょう。Aはテーブルからレコードを取得する「RDBGet」コンポーネントで、Bはファイルを読み込む「FileGet」コンポーネントです。基本的に(※)ストリームの有効期間はコンポーネント間のみです。そのため、下記の例ではAの出力ストリームがBの出力ストリームに置き換えられてしまうので、CのFilePutコンポーネントによりファイルに出力されるストリームは、Bの出力ストリームのみです。

※流れてきたストリームをそのまま出力するコンポーネントもあります。
(例)BranchStart:設定した条件式の判定結果によりストリームの出力方向を変えるコンポーネント(こちらの公式マニュアルにて、左のメニューの「コントロール」欄を開くとBranchStartの詳細な説明をご覧いただけます。)

置き換えられるストリーム

もし上記の例でAの出力ストリームもCのコンポーネントでファイルに出力したい、という場合は、例えば下記のようにフローを作成するといった工夫が必要です。

2つの入力ストリームを出力する方法

Dのコンポーネントは「Mapper」と呼ばれ、Mapperへ流れてきたストリーム(入力ストリーム)を出力したいストリームの形にマッピングできます。出力したいストリームの形は、Mapperのストリーム定義として定義しておきます。

Mapperのストリーム定義

Mapperをダブルクリックすると下記の画面が開くので、左側にある入力ストリームを右側の出力ストリームの形にマッピングします。そうすることで、複数の入力ストリームを1つの出力ストリームにまとめることもできるので、Aの出力ストリームもBの出力ストリームとともにファイルに出力できます。

Mapperの画面

ASTERIA Warpを使ってみた感想

ASTERIA Warpを使い始めた当初は、最後に紹介したストリームの考え方を理解していなかったため、フローを動かしても意図した結果を得られず戸惑うことが多々ありました。(ストリームについてもっと詳しく知りたいという方は公式マニュアルをご参照ください。)

ただ、繰り返しフローを作成して実行することで徐々に慣れていき、今では設計書に従い意図したフローを作成できるようになりました。そのため、ASTERIA Warpを手元で触れる状況にいらっしゃる方は、どんどんフローを作成し実行することが ASTERIA Warpを使いこなす近道ではないかと個人的には考えております。ASTERIA Warpの無料体験セミナーに参加してみても良いかもしれません。

ここまでASTERIA Warpの基本的な使い方を紹介しました。
ASTERIA Warpに興味がある方や、これから使い始める方などに少しでもお役に立てれば幸いです。

  • Zabbix Enterprise Appliance
  • 低コスト・短納期で提供するまるごとおまかせZabbix