

若手教育カリキュラムの改善活動
こんにちは。ソリューション開発部の油井です。
日々携わらせていただいている開発業務に加え、ソリューション開発部では「分科会」という形で業務改善の活動を行っております。
今回の記事では、私が所属している採用教育分科会で現在取り組んでいる「若手配属者向けの教育カリキュラム改善」の活動の一部をご紹介したいと思います。
教育カリキュラムとは
教育カリキュラムとは、ソリューション開発部のメンバーが作成した「部配属時に受講する研修カリキュラム」です。
新たにソリューション開発部に配属された社員に対して、「これは理解して欲しい、身につけて欲しい」といった内容を説明する資料はいくつも用意されていたのですが、配属された社員のスキルに応じた研修制度までは用意できておりませんでした。
ソリューション開発部では近年、「20代の若手社員を大事に、しっかり育てたい」と若手社員のスキルアップに力を入れており、その一環として若手採用教育分科会では、「これらの資料や情報をしっかり整備して、早く成長できる環境づくりをしよう」ということになりました。
カリキュラムの一部を列挙してみますと、
- システム開発、チーム開発概要
- Java研修
- JSP、サーブレット研修
- ネットワーク基礎
- DB基礎
という内容で構成していまして、その内容に沿った形で学習していただきます。
また、この他にもその週に学習した内容をもう少しじっくり復習するための時間や、先輩社員が講師となって研修カリキュラム外の内容についてお話するプチセミナーなどがあります。
なお、研修中は質問や不明点などについていつでも確認できるように先輩社員が1名ついているため、気軽にわかりにくい部分の解説や質問などを出来るような環境です。
入社後にどのような研修を受けるのか、もっと詳しく知りたい!と思われましたら、面接や面談などの場で弊社社員にお尋ねください!
カリキュラムの改善
この教育カリキュラムは若手採用教育分科会で運用し、これまで新卒・中途で入社した社員に受講してもらう度に、反省と内容の改善をおこなっています。
私も2015年に入社し、この教育カリキュラムを受講しました。しかし、知識がある前提で説明がされている部分が多く、学びづらさを感じた場面が何度かありました。
受講後、そのような点がなかったか?と当時の分科会の方々から感想を聞かれ、感じたことをお話したところ、すぐ改善されておりました。
そのような過去があったため、私が受講した時には気づけなかった問題点や、もっと初心者が理解やすくできる改善点がきっとある!と思い、直近で受講してくれた新入社員へ感想を聞いてみました。
受講者からのフィードバック
直近で受講してもらった社員は2名おり、それぞれプロジェクトに配属された後に研修が活かされたかどうか確認の意も込めて教育カリキュラムがどうたったか聞いたところ、いただいたフィードバックは
「チケット管理ってなんですか?」
というものでした。詳しく聞いてみると
「配属先のプロジェクトでは、タスクがチケットで管理されていたが、見方やその後の取り組み方がわからなかった」
と、配属先プロジェクトでの作業をして感じたとのことでした。 弊社の参画しているプロジェクトでは、RedmineやMantisなどのツールを利用したチケット駆動でメンバーに作業を割り振ることが多いのですが、これまで「プロジェクトに入れば分かる」と見過ごしていました。 しかし、改めて考えるとチケット駆動を通して学んで欲しいことも多々あると反省しました。
チケット駆動を通して学んで欲しいこと
ゴールを決める
「あれをこう修正して欲しい」と言われ、いざ修正しようと着手すると「つまりどの部分をどう修正すればいいんだ?」となりますよね。 着手する際には「このタスクは何をもって完了とするのか」を定めなければいけません。
このゴールの設定の際に認識に誤りがあると手戻りの発生や、誤った改修の原因となります。 そうなってしまわないよう、何を持って完了とするかの認識合わせをまずチームで行う、という習慣を身につけて欲しいと思っています。
作業を定義する
ゴールが決まると、次にゴールにたどり着くまでに必要な作業の洗い出しが必要です。
「こういう時ってどういう処理にすればいいんだろう?」と、お客様や仕様の管理者に確認しなければいけない事項が後から出てくることがあります。 「なんとなくこのくらい」で見立てたスケジュールは、このような作業の詳細を確認・定義する時間が見積もられていない事が多く、結果として遅延してしまうのはよくあることです。 そのため、まずは割り振られたチケットの作業内容を理解してもらいます。
何をどう修正するのか、という方針を理解したら、しっかり詳細化し、抜け漏れがないか、他の人へ確認しないといけない不明点はないかを確認してほしいと考えています。
工数(予実)管理
自分のタスクの工数見積りが苦手な若い方は多いのではないでしょうか?(私もとても苦手です…)
チケット駆動では、想定作業時間と実績を入力する欄があります。 この部分を利用して、想定と実績の間に差が出た場合は、何が原因だったのか?見積り時に何か抜け漏れはなかったか?と、工数見積りの精度を高めるやり方を理解して欲しいと考えています。
ただなんとなく「この位かかりそう」「これだけ時間がかかった」から脱却する練習は早い段階から始めておいて無駄になりませんからね!
作業状態の見える化
プロジェクトといえば、プロジェクトマネージャーやプロジェクトリーダーがいて、そのほかに作業を担当するメンバーがいますよね。
メンバーは各自、割り振られたチケットの対応をしますが、プロジェクトマネージャーやリーダー(以下、管理者)は、各メンバーが割り振られたタスクをどの程度消化しているのか、進捗状態を把握しなければいけません。
そんな時に役立つのが、チケットの「ステータス」という項目です。この項目は、今そのタスクがどのような状態なのかを表します。このステータスが随時更新されることにより、管理者は作業担当者に直接尋ねなくても、各タスクの状態を把握することができます。
たとえば、私が参画しているプロジェクトのMantisでは下記のステータスで管理をしています。
ステータス | 状態 |
---|---|
新規 | 新規チケットで担当者がきまっていないタスク |
フィードバック | レビュー結果を担当者に連絡済みで、その対応待ち |
内容確認済 | 内容は確認したが、未対応 |
作業中 | タスクの対応中 |
担当者決定 | 担当者が割り振られたが、内容が確認されておらず、未対応 |
解決済 | 対応が完了しており、レビュー待ち |
完了 | レビューまで完了しており、リリースが出来る状態である |
ステータスの更新に加え、担当者の変更や累積作業時間が記載も随時行っていると、より管理者にとって状態が分かりやすくなります。
作業が完了し、レビュー依頼した場合を考えてみてください。口頭やメールで依頼されただけだと、レビュー担当者は別作業でうっかり忘れてしまうことがあるかもしれません。
しかし、チケットの担当者を変更することで、レビュー担当者はタスクの存在を忘れませんし、管理者は誰がレビューを担当するのかも把握できます。更に、レビューで要対応な点があれば、再度担当者も元の作業担当者に戻す、ということでひと目でタスクが誰の手元にあるのかが分かります。
また、累積作業時間が随時更新されていると、自分だけでなく管理者も「予定よりも作業に時間がかかっているな」と作業の状態を把握できます。これにより、管理者は別のメンバーにサポートを依頼する、スケジュールに無理があればお客様と調整を行う、といった対応を考えることもできます!
こういった「自分にとって、役に立つこと」だけでなく、「他人のために、役に立つこと」もしっかり身につけて習慣にして欲しいな、と考えています。
教育カリキュラムへの反映
前述の内容を踏まえ、今後の教育カリキュラムではチケット駆動を用いて研修を進めようと考えております。チケットに概要を記載し、詳細は受講者に定義してもらい、身につけてもらう想定です。
また、この反省点に加え他にも「メンバーとして参画した時の働き方がイメージしづらい」という話があったため、配属前の研修として、プロジェクトに配属された際の作業を疑似体験できるような枠組みもこれから作ろうと考えております。
これからもカリキュラムづくりを進めていきます!
ソリューション開発部の若手中途採用は、まだ業界未経験の方の採用経験が多くありません。そのため、今回のような見落としていた改善点もまだまだ多々あると考えております。
業界経験者の若い転職者の方、業界未経験の方、新卒で弊社にご興味もっていただけた方、みなさまに安心してご入社いただけるよう、これからも研修カリキュラムづくりを進めて参ります!
もし教育カリキュラムの内容にご興味をもっていただけましたら、採用フローの面接や面談にてお伺いいただけますと幸いです。
以上です。
社員が最大限の力を発揮しお客様にご満足いただき、そのお客様からよりレベルの高い仕事をいただく。会社は、社員がより活躍できるフィールドを創り続ける。結果として、お客様・社員・会社の信頼関係は、強くなっていく。
アークシステムは、こんな会社です。そして、今後もこのような関係を強めながら、成長し続ける企業でありたいと思っています。
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